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石英ガラスとは

普通のガラスに比べ透明度が高く光の透過性に優れ非常に高純度で非常に高い耐熱性・耐熱衝撃性をもち物理的な安定性をもったガラスです。

純度はどれくらいですか?
石英ガラスとは一般のガラスに比べ 非常に高い純度(二酸化珪素100%)をもち
気泡や脈理がほとんど存在しないため 特に紫外線領域の透過が良好です。
金属不純物の総量が他のガラスより極端に少なく(合成石英ガラスでは1ppm以下 透明(天然)石英ガラスでは20ppm程)
よって透明度も他のガラスより高く高純度で薬品に侵されにくいという特徴をもっています。
耐熱性が高いといいますが 具体的にどれくらい高いのですか?
一般のガラスの約12倍以上の高温に耐えることができます。(最高使用温度:1100℃ 常用使用温度:900℃← 一般のガラスは80℃)
石英ガラスは何に使われているの?
炉心管等の治具類、半導体製造装置の容器や、レンズ、プリズムまた理化学用の器具
近年では光ファイバーに使われ様々な用途で使用されています。
  • 石英ガラスは電気抵抗が高いので絶縁体として優れた物質であります。温度上昇による抵抗降下が他物質よりはるかに緩やかであり、表面抵抗も非常に高く超高周波特性も極めて優秀です。
機械的特性 電気的特性
密度(25℃) 2.2g/c㎥ 体積抵抗率(Ω-cm)  
ヤング率(25℃) 7525kgf/m㎡ log₁₀,250℃ 12.7
横弾性率(25℃) 3232kgf/m㎡ log₁₀,350℃ 11.4
ポアゾン比(25℃) 0.16 誘電率
1MHz,25℃
3.8
ヌープ硬さ(100g荷重) 522 誘電正接
1MHz, 25℃
0.005
  • 溶融石英の物理特性は 他のガラスとほとんど同じです。圧縮に対して非常に強く 設計圧縮強度は1.1×10⁹Pa(160,000psi)を上回ります。いかなるガラスでも、表面にキズがあると本来の強度が著しく減少し 引張り強度も大きな影響を受けます。表面の状態がよい場合、溶融石英の設計引張り強度は4.8×10⁷Pa(7,000psi)を超えます。実際には0.68×10⁷Pa(1,000psi)の設計応力を一般的にお勧めします。
  • 光学的透過性は 種々のガラス状シリカを区別する手段となっていますが これは透明度が素材の純度と製造方法を反映しているからです。UV(紫外線)遮断と紫外線吸収245mmと2.73μmでの吸収帯の有無です。厚さ10mmのサンプルのUV遮断域は155~175nmで純粋溶融石英にとってこの遮断値は 材質の純度を反映するものです。遷移金属不純物の存在によって 遮断値はより長い波長の方へと移動します。例えば 溶融石英管にチタンを添加するなど 望ましい場合にはUVの吸収を増加させるために意図的な添加が行われます。245nmの吸収帯は 還元されたガラスの特徴であり、電気的溶融によって作られたものであることを示しています。ガラス状のシリカが「湿式」工程、例えば酸水素溶融や合成法によって作られた場合 構造的に含まれている水酸基イオンの基本的振動帯が2.73μmで強く吸収します。
  • 透過曲線が示すように、溶融石英管のUV遮断値(厚さ1mm)は160nm以下で、245nmでは微量の吸収を示し 水酸イオンによる吸収は識別できるほど吸収はありません。溶融石英管は約100ppmのチタンを含有していますが、肉厚1mmのサンプルでは 230nm以下でUVを遮断します。肉厚1mmのサンプルでは 赤外線領域は4.5~5.0μmです。
  • ガラスの中でも最も化学的安定性の高い材料であり 耐薬品性が優れている。
  • フッ酸と高温のリン酸以外には侵触されない(アルカリ及びアルカリ土類金属を除く)
  • 酸化物を含まない純金属とは反応しない。
  • 熱膨張率が極めて低い。(銅の値の34分の1、ボウケイ酸ガラス、セラミック材料と比べても格段に優れている)
  • 耐熱衝撃性が非常に高い(溶解石英の薄片を1500℃以上に急激に熱し水に入れても壊れない)
  • 但し、厚肉な製品などでは部分的に冷却すると破損する場合があるので注意を必要とする。
  • 石英ガラスの粘度(物質が剪断応力を受けた時の流動抵抗の尺度)は軟化点よりもはるかに高い温度まで、温度の上昇と共に徐々に低下します。石英ガラスの場合 結晶質のように明確な融点は認められずかなり広い温度範囲にわたって軟化します。
  • 石英ガラスは軟化点においても硬い状態の為、加工温度1900℃であっても変形させるには相当強い力が必要。また気体の蒸気圧が大きい為 固体から直接気体に移行するので融液状態にはなりません。
  • 熱伝導率と比熱が極めて小さい事も特徴の一つです。

失透(結晶化)とは

失透や粒子発生は、溶融石英の高温での性能に限界を設ける要因です。失透には核形成と結晶成長という二段階の過程があります。
一般に溶融石英の失透速度が遅いのはクリストバライト相の核形成が表面だけで起こることと結晶相の成長速度が遅いという2つの理由によります。溶融石英ガラスの純度は非常に高いので 材料の内部には失透の核はほとんどありません。したがって 通常 核形成はアルカリ元素や他の金属によって表面が汚染されることからはじまります。これらが存在すると結晶化開始温度が200~300℃低下する事があります。これらのイオン(これらは塵、汗に多量に含まれている)を除去する事が重要となります。

クリストバライト成長とは

核形成場所からのクリストバライト成長速度は ある種の環境的要因と素材の特徴によります。温度と溶融石英の粘土が最も重要な要因ですが 酸素と水蒸気分圧も結晶成長速度を左右します。溶融石英の失透速度は水酸基(OH-)含有量が増加するにつれて 粘度が下がるにつれて、そして温度が上昇するにつれて、速くなります。したがって高粘度・低水酸基の石英は耐失透性に優れているのです。β型クリストバライトへの転移は一般に1000℃以下では起こりません
このような転移はβ型クリストバライトからα型クリストバライトの転移温度(-250℃)へ温度サイクルを受ける場合 溶融石英の本来の構造を損なう恐れがあります。この転移には大きな比容積の変化が伴うため スポーリングや場合によっては物理的破壊が起こります。

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